前回の記事で紹介した御影石の玄関ポーチ施工の続きです。
本磨きの御影石なので、水に濡れると滑りやすくマットを敷いているが、美観上使用しないで済む方法はないかとのご相談でした。
防滑方法はいくつかありますが、この場合はアンチスリップセラミックガードを塗布するのがベストです。このガラスコーティング剤は汚れやキズを防止すると共に、微細な骨材成分が含まれているため滑りにくくなるという優れものです。これでマットとさよならできました。
ただストーンマスターの防滑工程はこれだけではありません。実は前処理として、アメリカ大使館や東宮御所の石材フロアメンテナンスに採用されている、マイクログリップという特殊トリートメント剤を塗布しています。これにより石の表面に微細な凹凸を形成し滑りにくくなります。つまりエッチングを施した上でコーティング剤を塗布しています。
屋外にある玄関ポーチは日光や風雨にさらされ、石にとって過酷な環境です。アンチスリップセラミックガードは無機系で紫外線の影響なども微小ですが、それでも経年によって劣化し防滑効果が薄れてしまう箇所がでてきます。しかしそうなっても凹凸のある表面が現れ滑らないで済み、安全を二重で担保しているのです。
この工法をストーンケアアドバイザーの新井田氏に指導いただいた時は、なんてお客様ファーストなんだと感動したのを覚えています。作業時間も倍かかりますが、これがストーンマスタープライドです。
さらにもうひとつ。
これはマイクログリップ防滑シールです。
今回マットを無くしたということは、今まで「滑らなかった」のが「滑りにくくなった」ということです。「滑りやすい」箇所を「滑りにくく」した場合はいいのですが、今回のケースではお客様の体が「滑らない」ことに慣れているので、雨の日に帰ってきたとき、アプローチからポーチへ上がる一歩目に滑ってしまう可能性があると考えました。そこで念のためその部分だけシールを貼ることを提案し了承していただきました。
マイクログリップ防滑シールを貼った状態です。美観もそれほど変わらず、むしろ安全性が高いことに満足していただけました。